先日受講した宅建士の法定講習会(宅建士証の更新)で取り上げられた紛争事例の続きです。
第2種高度地区の規制により買主目的の延べ100平米の建物が建築できない説明をしなかった媒介業者及び重要事項説明に立ち会わず媒介業者の不十分な説明を看過した売主業者に損害賠償責任が認められた事例
売主宅建業者Y2←売買契約→買主X
↘ ↙
媒介業者Y1
まあ、内容はそのままなんですが、この紛争では、
- Y1は重要事項説明書に第2種高度地区内であることのみを書いていた。
- Y2は重要事項説明に立ち会わなかった。
この2点を裁判所から説明義務に違反した債務不履行だと指摘されたようです。
つまり、Y1は、重要事項説明書に第2種高度地区内であることを書くだけでは足りず、制限の内容も書いてXへ希望に沿う建物を建築できないことを説明するべきであった。また、同席していれば補足説明できたのに説明不足の重要事項説明書を交付したY2にも責任はある。
媒介業者が介在していても宅建業者が自ら売主となる場合は重要事項説明義務を免れませんからね。
約300万円の解決金を支払うことにより和解したと書いてありましたので、Y1にとってもY2にとっても痛手だったのではないでしょうか。
これは、業界の風習かもしれませんが、重要事項説明は宅建業者が買主様(借主様)へ行うことが法令で義務付けられているので、売主様(貸主様)を同席させないことは多いですよね。
なのに、売主様(貸主様)からも重要事項説明書に記名押印をいただくことが多いですから、売主様(貸主様)は重要事項説明に同席するか、事前に重要事項説明書の内容を確認しておくことがのぞましいでしょう。
(ちなみに弊社が加盟している全日本不動産協会の重要事項説明書は宅建業者から売主様にも説明すべき形式を採用しているようです。)
やはり、トラブル事例の多くは、宅建業者の説明義務違反や不実告知によるものが多いですね。

コメントを残す